二〇十一年 三月  デンタ日記
 
 三月三十一日 ジョイフル本田守谷店金物売り場。
 ジョイフル本田守谷店に出かけてると建築用金物、ネジ釘類、金属材料等の金物売り場と電気部品の売り場をチェックする。めぼしいものは携帯電話のカメラ機能で撮影しておく。後日、修理の時に必要になると思われる商品の規格や価格を記録しておき修理コストを予測することに使う為だ。
 

 三月三十日 無線LANカード。
 ノートパソコンのカードスロットに挿して使う無線LANカード。最近のノートパソコンは無線LAN機能を内蔵しているものがほとんどなのでこのカードの需要はないだろう。私も使う予定がない。ヤフオクで売れるかな?。
 

 三月二十九日 義歯修理。
 Gさんの義歯修理が出来上がった。義歯全体を機械で仕上げ研磨しているので新しく製作したようにとても綺麗になった。生
 

 三月二十八日 ヘーゼルナッツチョコチップクッキー。
 生地にヘーゼルナッツのパウダーが入っている。チョコチップが混入され表面にコーンフレークを貼り付けて焼き上げたクッキー。

 福島第二原発の2号機放射線管理区域外で高濃度の放射性物質を含む水が確認された。核燃料が溶融して出てきたものらしい。本来は燃料棒のなかに閉じ込められているものだが、それが破損して原子炉圧力容器の中に溶け出し、圧力容器が破損しているところから原子炉格納容器のなかに漏れ出し、格納容器から建屋の中に漏れ出し、さら建屋から漏れて放射線管理区域外に出たと思われる。。
 

 三月二十七日 よせあつめ。
 左写真は、ちょっと古い部品を寄せ集めて組み上げたパソコン。今となっては低性能だが、壊れずに生き残っているパソコン部品と、型が古くすごく安くなった部品を買い足してパソコンを組み上げる。性能は低いが、粘り強い。安定して動作する。過酷な条件でも動き続ける。やはり、仕事で使うパソコンは速度よりも安定性が最優先される。診療室で稼動し続けている。
 日本の電気は、28.9%を原子力発電に依存してるらしい。(総発電量に占める原子力発電の割合)。パソコンを動かす電気の3割は原子力の電気だ。

 三月二十六日 風向きと原発。
 朝から強い風がふいている。風向きはどっちだ。ネットで天気図を見ると西高東低の気圧配置になっている。 
 昨日、かあちゃんがマルセイバターサンドクッキーモドキを作った。先日観たNHKの番組「クールジャパン」の中でマルセイバターサンドが優良な土産として人気があることが紹介され、そのレーズンバタークリームの中にホワイトチョコが入っていると秘密が明かされた。かあちゃんは、さっそくホワイトチョコレート入りのレシピを試したのだ。冷蔵庫で一晩寝かしたら、..。うんまい。かなりこマルセイバターサンドに近い。われわれが消費する日本の電気は、28.9%を原子力発電に依存してるらしい。(総発電量に占める原子力発電の割合)。なにをするにも電気が必要だ。

 三月二十五日 メタルボンドと原発。
 上顎前歯のメタルボンド(陶材焼付け前装金属冠の俗称)が出来上がってきました。(左写真)メタルボンドは、まず白金と金の合金を800度以上に熱して溶かし鋳造して金属冠を作ります。その表面に陶材を焼き付けて歯の形にします。陶材を溶かし金属に焼き付けるのは1200度で何分も加熱しなければなりません。材料を生成するにも、加工するにも多くの電力が必要ですが、その3割はやっぱり原発で作られているんですね。

 三月二十四日 クラッカーと原発。
 「Carr’s」 英国王室御用達のクラッカーらしい。箱のなかに8種類のクラッカーが5枚ぐらいづつ入っていた。微妙な違いを楽しみながら数種類のチーズとあわせて食べる。うんまい。コストは250g/450円なので高い。でも形と味を数種類楽しめて良い。4人ぐらいのパーテーに一箱あると楽しいかもね。
 日本の電気は、28.9%を原子力発電に依存してるらしい。(総発電量に占める原子力発電の割合)。私の消費する電気の3割は原子力の電気なんだ。自動車や建材や食料品を生産する時に必要な電気も、スタバやレストランや新聞や電話や郵便のサービスを受けるために必要な電気もその3割は原子力の電気なんだ。家の電線は、福島県の原発に繋がっていた。 

 三月二十三日 ランニングシューズと自衛隊。
 かあちゃんが、先日あたらしいランニングシューズを購入した。ニューバランスブランドで間カンペイ氏が世界マラソンで使ったモデルらしい。東京マラソンエキスポ会場で試着して気に入ったようだ。足にぴったり合っていたのとそのデザインが気に入ったようだ。目立つ派手な色使いの模様だ。 茶色と緑と灰色だったらまるで迷彩柄なんだが、..。迷彩服といえば自衛隊。
 Aさんは、3月27日に結婚式におよばれしてるという。それまでにAさんの治療が終わるように急いでいた。でも、その結婚式が延期になったというのだ。なぜか、..。新郎は、若い自衛官で災害緊急出動で被災地に出かけ不在になった。私は、自衛隊が国民の生命と財産を守る組織であると信じている。自衛隊とは国を守る安全装置だ。 

 三月二十二日 ドーナツ。
 左写真はかあちゃんがつくったドーナツ。
 右写真は和夫君が生産したおいしいセルリー。今日刈り取ったものでみずみずしく新鮮でうんまいやっつを届けてくれた。茨城産の野菜は敬遠されているのだろうか、出荷価格が下がっているらしい。
 和夫君が所属するセルリー作り名人のグループ「前進会のセルリー」は、みなハウス栽培だ。そして、出荷前に放射能の測定検査をしている。消費者に安全でうんまいセロリをいっぱい食べてほしいな。

 三月二十一日 雨の中のジョガー。
 今朝は、5時半ごろに目覚めた。朝飯前にハーフを走ってやろうと思い6時ごろ家を出る。ゆっくりジョギングしても8時半には帰ってこられるだろう。でも、2キロぐらい走ったところで雨が落ちてきた。傘をさして散歩してる人がいる。犬の散歩をしてる人もいる。犬は毛がいっぱいだから雨がいっぱいくっつくよね。小降りだったのでそのまま雨の中を走っていたが、やむ気配がない。図らずも「雨の中のジョガー」になってしまった。普段なら「カッコイイ?」かも、でも今は「バカジャネ?」。ずぶ濡れになったのでやっぱり家に帰ることにする。7キロぐらいは走ったかな。
 たいした量ではないが、大気中に放出されて漂っている放射性物質ヨウ素131がしっかり溶け込んだ降り始めの雨を浴びている。 さすがに、今はちょっと気になるね。 かあちゃんは、雨がしみこんだ衣服を流水で十分洗ってから洗濯機に入れていた。 私は、「シャワーで全身を除染する。」 いつも走った後にやってることだが、大げさに表現してみた。
 雨に濡れた犬は、除染してもらえるのかな?。

 晩御飯は、リーズナブルなイタリア製のクラッカー(左写真:250g/210円)と白ワイン、トマトサラダ、野菜スープ。

 三月二十日 キーボードの向こうに F 君 が見える。
 今日は、気だるい。やる気がない。重要事項を考えようとすると脳に粉砂糖が降りかかったような状態になる。何もやる気が起きない。でもかあちゃんと2キロぐらい八坂公園を走った。
 「とりせん」に牛乳を買いに行く。カップ麺などのインスタント食品の棚にはなにも無い。みんな、そんなに高頻度にカップ麺を食ってるのか。? 放射能より、そっちの方が、心配じゃネ。 そのほかの食品はそこそこそろっている。牛乳は、一人1本購入できたので2本入手。これで牛乳入りのコーヒーが飲めるぞ。

 Person Finder (消息情報): 2011 日本地震

 石巻に住んでいる大学の後輩である F 君の無事が Person Finder に載って来た。ネット上で人探しをしてる人がいっぱいいる。貴重な情報をネットに上げてくれるまだ合ったことのない人たちに感謝。キーボードの向こうに見える F 君を心配してる人もいっぱいいるんだ。よかったね。家族とも無事でよかったね。 たいへんだろうが、頑張れ。
 ハイパーレスキューの隊員に感謝。彼らはみな放射能区域での救急作業のプロフェッショナル。地震の次の日から、原発への注水を想定して訓練していたらしい。 どんなに訓練を重ねていても今回の事態は、初めての実戦で超高難度の現場であったろう。どの隊員も緊張に震えていたにちがいない。自衛隊の対核攻撃対応部隊のサポートもたたえられるだろう。月桂冠で彼らの技術と勇気をたたえたい。ありがとう。
 まだまだ、予断は許さないが、記者会見に臨む東京電力職員の顔が、明るく見えるのは気のせいだろうか。

 三月十九日 惚レタス 。
 「惚レタス」は、当地のレタスのブランド名だ。私の家の近くにJAの大きな保冷倉庫がある。出荷前に予冷して保冷(ホレイ)して出荷されるところから(ホレイレタス→ホレタス→惚レタス)となったと聞いている。かあちゃんの実家でも「惚レタス」を生産している。
 茨城県は、レタスの生産が全国第2位、主に県西地域で栽培されている。岩井は、レタス生産農家が多い。しばしば、患者さんから「惚レタス」をいただく。今日いただいた「惚レタス」の包装材に以下の項目が印刷されていた。 カタログ番号:00038818 作物名:こだわり惚レタス 品目: レタス URL http://ibrk.jp カルラコードもある。ネットにアクセスしてみると生産者の紹介のページだった。
 地震直後は、「惚レタス」の出荷価格が急上昇したらしい。原発の事態が報道されると、「惚レタス」の出荷価格が急落したらしい。非常なときに市場は非情だ。生産者の努力とは何の関係もなく、生産者に責任の無いところで「惚レタス」の価格が変動する。本当にこれがよいのだろうか。消費者は、デマに惑わされずに賢く農産物を消費して欲しい。美味しい「惚レタス」をよろしく。
 私のうちには、市場の思惑と関係なく新鮮で美味しい「惚レタス」が安定して供給される。ありがたいことだ。生産者に感謝、感謝、感謝。
 

 三月十八日 壊滅的。
 毎日、まいにち、マイニチ、毎日壊滅的な映像を観ていると、私の脳も壊滅的になrちゃうかもしれない。
 23年2月28日の新青森駅在来線のプラットホーム、のどかな雪景色。今は日本海側から太平洋側に物資を輸送する重要路線だ。いっぱいいっぱい物資が輸送されて早いはやい復興を期待します。
 

 三月十七日 牛乳の無い生活 。
 木曜日で休診です。朝食後、長谷周回コースを22キロ走った。露出する皮膚をできるだけ少なくするように手袋をして走った。でも、うっとおしいので手袋を脱いでしまう。本来の目的、露出させないように、を思い出してまた手袋を装着する。22キロ走る間に、そんなことを数回繰りかえしてしまった。
 午後はいつもの床屋さんに行って散髪をした。こんな時は髪の毛先が皮膚に触るとすごくうっとおしい。床屋さんは、その腕を振るいながらお客さんと世間話をする。私もその一人だが、いろいろな職業のヒトと話をするわけだ。瓦屋さんも床屋さんに来ている。地震のせいで、瓦屋さんは、おおいそがしだ。瓦職人にも、とうぜん技術の熟達に差があって当然だろう。地震で落ちた瓦屋根の中には、瓦職人の腕の差ではなく明らかに「手抜き工事」と思われるものがあるそうだ。それも、何棟も。
 うちで消費する米は、かあちゃんの実家で生産したものが供給される。野菜も時々供給される。我が家の家庭菜園で生産される野菜も馬鹿にできないほど便利だ。おおかたの食料品をいばらき生協等の宅配で購入している。地震後、牛乳が届かなくなった。生協の配送の人の話では原乳は生産されているが、工場や冷蔵庫が損壊して流通がストップしているらしい。 牛乳の在庫がなくなると「牛乳の無い生活」になる。しばらくの間さびしいが、そう困ったものではない。うちでは、外から全ての食材の供給が止まっても水があれば一週間ぐらい食いつなげる量の食材ストックがある。
 かあちゃんが、ビスコッテイを焼いた。(左写真) 平常の生活に感謝。
 

 三月十六日 ガソリンの無い生活 。
 14日にグループケアハウス「なかよし」さんに訪問診療をした。Fさんの新しい義歯が出来上がった。(左写真) この義歯の素材はレジン(合成樹脂)で石油がその原料だ。石油が無くなった世界では、どうなるんだろうな。化石燃料の石油はいろいろな素材の原料でもあるんだよね。
 計画停電の対象から外れたので、平常時と同じように診療している。私のうちでは幸いに、なにもコマっていない。屋根に被害を受けたお家では心配だろうし、修理に対応している屋根やさんは大忙しで大変だな。
 ガソリンが入手困難で、給油のためにガソリンスタンドに並び何十分か順番を待つ必要があるらしい。長時間待っていても一回の給油量に制限があったりすることが多いという。歯科材料店の外回りの車のガソリンが入手できずに配送が滞ることも起こっているようだ。私の車は、あと250キロぐらい走れる。かああちゃんのくるまは、80キロぐらいだろうから来週には給油しなければならないだろうな。それまでにはガソリン供給も安定してほしいものだ。
 配送の仕事、郵便や宅配、公共交通、輸送には日本国中すべてにガソリンが必要だ。やがては枯渇する化石燃料、ガソリンが無くなった世界では、どんなエネルギーでこれら輸送の原動力をまかなうのだろうか。電気自動車か。? 電気は、原子力発電で作るか。? どうする。ガソリンの無い世界。 

 三月十五日 計画停電 。
 昨日は、輪番停電といっていたが、今日から計画停電と称されている。今日は実施されそうだ。昨夜、停電時間帯が発表された、第一グループは14時50分から19時までらしい。早起きして今日の診療予定を組んだ。朝礼でスタッフに指示して患者さんの来院時間を連絡してもらう。しかし、私の地域は、被災地なので計画停電の対象外地域となると午前9時30分頃発表になったらしい。東京電力ではなく坂東市のホームページで確認した。私のいえの被害は、ガラスのオブジェが一つこわれただヶなのでなんか申し訳なく思う。
 月桂樹(左写真)は、ギリシャ時代から神聖視された樹木の一つで、葉のついた若枝を編んで冠とし栄光のシンボルとして勝者や優秀な者の頭を飾ったことはみんながしっていることだ。東北関東大震災に生存した人たち、復興に関わる人たち、原子力発電所の事態収束に取り組む人たち、全ての人たちの努力がたたえられその栄光が月桂冠で祝福される日が早く来ることを願う。

 三月十四日 UPS 。
 東北関東大震災で輪番停電が実施される予定です。定刻になるときっちり給電が停止するそうですが、稼動中のパソコンが停電で急停止すると保存していないデータを失いますし、ハードデスクにも傷害が起こります。ノートパソコンはバッテリーでバックアップされていますが、多くのデスクトップパソコンはUPSが付いていません。UPSは Uninterruptible Power Supply の略で、日本語では無停電電源装置と言われています。電池や発電機を内蔵し停電時にコンピューターや装置に電気を供給、瞬断などの急な電源供給停止ダメージから機器を保護するものです。コンピューターのハードデスクに書き込み読み込みをしている時に停電により機械が止まるとハードデスクが壊れたり、保存されていないデータが損失したりします。UPSから電源供給していれば正常に機器を停止させる間、電力を供給することができます。
 私もUPSを使っていましたが、昨年暮れからバッテリーがヘタって警告灯が点滅してました。バッテリーの交換時期でした。(左写真) 今度秋葉原に行ったら買って来ようと思っていました。震災の影響で秋葉原に行くのも難しいので通販で購入しようと楽天のショップに発注しました。  が、やっぱり売り切れです。地震地域で大量需要があって今後入荷予定がないと返事がありました。さっさと購入しておけばよかったな。震災の影響が、今後ジワット効いてくるのだろうか。
 私の地域は輪番停電の第一グループですが、今日は第一グループの停電が実施されませんでした。
 

 三月十三日 マグニチュード 9.0 。
 昨夜から電力が供給されて日常生活が戻った。腹が減って5時30分に目覚めた。テレビで被災地の映像を観た。ただただ驚くばかりで言葉が出ない。8時30分ごろまでずっとテレビを観てしまった。
 朝食後に、携帯と150円を持って走りに出た。10日に将門ハーフマラソン擬似コースを走るつもりだったが、膝が不調で途中で帰ってきた。今日は絶対にハーフを走る。走りながらあちこちに地震の被害を散見した。寺の灯篭が倒れていたりする。屋根瓦が部分的に落ちている家が多数あった。塀が倒れているところも数箇所見かけた。どうやら南北方向に加速度が掛かったようだ。瓦屋根の応急処置に瓦屋さんが大忙しだ。あちこちの屋根に人が載っている。液状化現象で砂が噴出している歩道があった。空が青い。雲が一つもない晴天だ。左写真は送電線の下のレタス畑だ。レタスを収穫している人がいる。地震の影響で流通が滞るかもしれないから出荷量を抑えるようにと農協から通達があったようだ。気温も高く暖かい。走って汗をかいて気持ちよい。停電で早寝早起きしたので体調がよい。将門ハーフマラソン擬似コース(22キロ)をしっかり走りきった。昼食後も元気で洗車をしてワックスで磨き上げた。特に疲れていない。
 マグニチュード9.0 は想定外か。分析の結果数値が訂正された。原発の想定外の不具合が惨事に至らず収束することを祈るばかりです。大規模停電の危惧も発生している。計画停電も準備されている。電力供給されないと診療できないから「輪番停電」に対応した診療時間や診療方法も計画しなければならないな。

 三月十二日 停電と闇、そして風呂。
 昨日、地震後から停電している。昨夜は蝋燭の明かりで食事をした。電気はないが、ガスレンジは使えたので調理はできた。
 午前5時半ごろ腹がへって目が覚めた。空が少し明るい。まだ電力は復旧していない。電気がないと光回線も不通だから電話も使えない。なにもできないや。車のバッテリーで携帯電話を充電する。スタッフは、自宅待機。診療できないが、患者さんも来ない。
 時々、かすかに、ときに大きくゆれる。 一日中、ラジオを聴きながら部屋の掃除をする。一日中掃除をする。誰も来ない。電話もならない。日が暮れると何もできないや。被災した人たちには夜の闇がとても深い闇に感じるにちがいない。水が入った2リットルのペットボトルを二つの蝋燭で挟んで配置するとテーブルがまんべんなく明るくなり良い感じだ。今夜も蝋燭で夕食をとりさっさと寝るつもりだ。
 ったが、布団に入って寝ようとしたら突然プリンターが動き出した。午後8時ごろ、30時間ぶりに電力が復旧したのだ。あちこちの明かりを消灯して回る。近所の家にも、街灯にも、信号機にも、明かりが灯っている。明かりは、いいな。 そして、風呂に入れる。
 

 
 
 三月十一日 地震。
 昼休にハートフル広侖さんの訪問診療から帰って車を車庫におさめた。急に車庫の屋根がざわめき出した。午後から雨が降ると聞いていたので風が出てきたのだと思った。でも車庫外に出てみるとほとんど無風だ。では、このザワメキは何だ。!と思いながら玄関に入ろうとしたら地面が揺れだした。大きく揺れている。めまいではなく地面が揺れている。地震だ。スタッフとちょうど来院していた患者さんを外に出した。それからもしばらくゆれは続く。大きく揺れたりおさまったりしている。通行中の車も止まっている。しばらく外で待機していた。ゆれが落ち着いてきたので家の中に入った。余震のたびにきしむが、壁に亀裂も見当たらない。家具や棚が倒れるようなこともなかった。うちでは院長室の棚の物が散乱したぐらいでたいした被害がない。(上段左側写真)
 停電になっている。余震は続いている。電気が供給されないと診療室の機能は失われる。復旧を待ってスタッフとともに5時半まで待機していたが、その後来院される患者さんはいなかった。首都圏の地下鉄、私鉄、JRは停止している。高速道路も閉鎖された。都内では帰宅できない人が多数いるだろう。携帯電話も繋がらない。長男は弘前にいる。次男は合宿で千葉県白子に出かけている。メールで子どもたちの安否を問い合わせる。メールの送受信はできそうだ。坂東市の他の地区では停電していないところもあるらしいが、午後6時うちでは電気が復旧してない。うちのガスはプロパンガスなので調理はできる。飯を炊きお湯を沸かして食事の用意をする。お向かいさんはオール電化住宅らしいので声をかけた。やっぱりお困りの様子なのでお湯を提供した。うちの前の交差点の信号も点灯していない。4時ごろから7時ごろまで市の職員(あるいはボランテア)らしい人が手信号で車を誘導していた。長時間ご苦労様でした。(上段右側写真)
  電池駆動のラジオとライト、蝋燭マッチなどをテーブルの上に集めた。蝋燭の明かりで夕食をとる。上水は供給されている。坂東市の上水は地下水を汲み上げているのだが、非常用発電機が備わっているんだろうあたりは暗いのにうちから見える上水場だけに明かりが灯っている。(中段右側写真)
 午後8時、子どもたちからメールが届いた。一安心。近くでは大きな石灯籠が歩道に倒れた、ブロックベイが倒れた、瓦が滑り落ちた、土手に地割れが走ってるなどがあったようだ。 余震はまだ続いているが、大きな揺れはなくなった。うちの地震対策を見直す機会にしたい。
 明日は電気が供給されるだろうか。太陽光発電設備を持っているお宅は、明日晴れたら電気が供給されるのかな。長時間の停電があった寒い冬の日に稼動する暖房器具が一つもなかったという友人宅の教訓から、私は2年前に電気を必要としない石油ストーブを購入した。今日もこの暖房器具「アラジンブルーフレーム」が活躍している。(左下写真)
 福島第二原発2号機4号機自動停止。炉心冷却装置が作動しているか確認できない。1号機も緊急停止。東北地方太平洋沖地震。 

 三月十日 永久歯の先天欠損。
 長い道のりを自分自身で走りきるからだろうか、フルマラソン(42.195キロ)はよく人生にたとえられる。ハーフマラソン(21キロ)とはまったく別のものに思える。午前10時ごろから将門マラソン擬似コースを走った。長谷の折り返し点(8キロ地点:左写真)まで行く。 ハーフ(21キロ)を走るつもりだったのだが、膝が不快なので途中で帰ってきたので15キロぐらいで終わりにしてしまった。のんびり風呂につかって飯をくったらすごく眠くなって昼寝をしてしまった。しばらくぶりに昼寝をしたな。
 右写真は、20歳男性の右下小臼歯部のレントゲン写真です。黄色丸の中は第二乳臼歯ですが、むし歯にもならずに健全に保持されています。乳歯であるが歯根の吸収もほとんどなくしっかりしていて十分に機能しています。乳歯の下にあるはずの後続の永久歯(第二小臼歯)がないのです。先天的に第二小臼歯が欠損しているのですね。永久歯の先天欠損は珍しい症例ではありません。よくあることなのです。この症例の場合には第二乳臼歯が健全に保持されているので十分に第二小臼歯の代役を務めてくれるでしょう。人生の終わりまでは無理かも知れないが、できるだけ長く持ちこたえてもらいたいものです。
 

 三月九日 医療安全会議。
  昼休みに老健きねぶちさんに訪問診療をする。その後、午後の診療の一部を休診にして医療安全会議を実施する。今日はスタッフ全員がそろった。スタッフ全員で訪問診療や日常業務状況、学校検診の予定等の情報共有をする。
 今朝のテレビ番組で坂東市のセルリー作り名人の農家グループ「前進会」が紹介されていた。私の同級生の野口和夫君もテレビに映っている。いとこの染谷定さんとおくさんも写っている。

 三月八日 老健きねぶちさんに訪問診療。
 
 昼休みに老健きねぶちさんに訪問診療をする。
 

 三月七日 TOKYO MARATHON 2011。
     
  ネット上にあった東京マラソンの2011の画像を収集してきた。 

 三月六日 確定申告書。
 日曜日だ。朝飯前に長谷周回コースを3周して10キロ走った。朝食はのんびりゆっくりと食べる。ゆっくりよくかんで食べるのはダイエットに有効だ。
 午前中に2月分のレセプト(診療報酬請求明細書作成)をする。請求データを電子媒体(CD-ROM)に焼きこんで終了。紙にプリントするよりも格段に作業時間が短くなった。
 午後には、決算書と損益計算書をチェックして所得税の確定申告書を作成する。午後9時には投函すすことができた。まだ、6日なのに確定申告が終了しているなんてたいしたもんだな。
 写真は、2月6日にかあちゃんが焼いたハート型のチョコレートケーキ。かあちゃんのデジカメに保存されていた。

 三月五日 腹筋。
 上体お越しと腹筋を鍛える。腕立て伏せも数回する。インナーまっするをきたえるぞ。
 私は、ランニングを始める前に2年間ウォーキングをしていた。その頃に使っていたトレッキングシューズをしばらくぶりに履いてみた。靴底が磨り減っていて履き心地が悪い。なによりもグリップがなくなってすべりやすくなっている。新しいトレッキングシューズがほしいな。

 三月四日 うっとりと奥歯を噛んで。
 日差しは春めいているが、気温が下がっている。 かあちゃんが、安心して菓子を焼いている。
「うっとりと奥歯を噛んで」 作家・詩人・歌手 川上未映子
  「はち・まる・にい・まる 8020」財団法人8020推進財団・会誌2011年1月No.10のトレンドウオッチングから引用

 親知らず
 歯が好きです。
 これはもうはっきりとした事実なのですけれども、この気持ちを人に伝えてもこれがなかなか伝わらない。歯が好きつてどういうこと?歯の何が好きなのですか? これまで散々質問されて、わたしなりに答えてはきたけれど、いつだってどうも納得してくれたような手応えがない。 はあ? というような顔をされます。何が好きって、歯のあの感じですよ。見るのも触るのも、それから由緒も、全部いいんですよ。とにかく歯そのものが好きなんです、ええもう、歯のあれこれがとにかく好きなんです。そんなふうに何も言ってないのとおなじことをただ繰りかえすだけになってしまうけれど、でも本当なので仕方ありません。
 むし歯でもなく健康そのものの親知らずを抜いたのは中学生の頃でした。
 銀のプレートに置かれた奥歯を見たとき、わたしは心身の底からうっとりしたのを覚えています。持って帰っていいですか、と先生にきいて、綺麗に洗って今でも大事に持っています。
 親指の爪ほどもある大きな歯。根がよっつもあって、小さな穴があいてある。天然の皺が中央により、とても硬い。これがさっきまで桃色の歯肉に埋まっていて、それがいまはわたしの手のひらにころんとある・・・・・・。ときどきは口の中にいれて噛んでみる。ふだん歯と歯をかちかち合わせることはしていても、歯で歯を噛んだりできるなんてシュールだなあとか思いながらまたまたうっとりとしてしてしまう。大げさでもなく、無限の角度から、何時間か。そでも見ていられる。この気持ちはいったい何なんだろうと、わたしもさすがに思うけれど、理屈よりも歯を思えばあふれてくる快楽はわたしにとってとても確かなものだったので、高校生になってすぐ、歯科助手のアルバイトをはじめることにしました。
 仕事は何もかもが素晴らしく、パキュームも滅菌箱の不穏なプルーも先端のどれも相当に美しかったですけれど、最も心奪われたのは「印象」でした。
 しかしこれを適当な柔らかさでこねてタイミングよく渡すのが難しく、何度も失敗したけれど、あのピンクの膨らみのうえに歯があてられて「空白」としての跡がつき、そこにふたたぴセメントがのせられて「有る」が目の前に登場する一連の流れにわたしは哲学の不思議を見、詩の沈黙を感じ、何度でもため息をつきながら、日がなほれぽれしたものです。
 奥歯で考える
 それから月日は流れ、なぜか小説を書くことになりました。これが最初で最後になるかもしれないから本当に思っていることを書いてみよう。存在の不思議、意識の不思議、歯を好きな気持ち。そうこうあぐねいているいるうちに「そうや、いまは脳ブームで、みんな脳みそで物を考えていると信じて疑っていないけれど、でも脳みそがない状態ってのをわれわれ人間は知りようがないのやから、本当に脳でかんがえているかどうかなんてわからないのやから、本当に脳でかんがえてるかどうかなんてわからんのやないか。そんなら「抜いたことない歯で物を考える」ってことにしてもなんもおかしくないのではないか。そうや脳みそではなく、奥歯で物を考えてるという女の人が出てくる小説を書こうではないか ! そうしたら今の頭の中身がくるっとまるっとすこんと入る!」と盛り上がり、えいえいと書いてみたら、芥川賞の候哺になりました。「言ってる意味がわからへん」「大阪弁が読みにくい」「タイトルこれなんて読むん」などと散々言われた作品だけど、でも「なんかわからんけど、一生懸命」「歯が好きなことはよくわかった」「小説のみに可能な思考実験。よくやった。まあ現実的ではないけれどもね」などなど、色々な執念や本気みたいなものも同時に受け取ってくれた人もたくさんいて、小説を書くことができている今に、といてもまっすぐ繋がっています。
 すべては口から
 そんなに好きな歯のことだから、いっとき色々と調ぺてみたことがあります。歯の歴史、歯のもつ情報、様々な生き物の歯の形態。歯というものが生体にとってどれほどの役割を担っているのか。あとは世界各地における歯にまつわる様々な言い伝えなどなどです。どれも興味深く夢中になったけれど、なかでもとりわ心に強く残っているのは[歯というものが、どのようなちからによって生えてくるのか、これはまだ明確にはなっていない」という指摘。
「これは、なんというか、われわれそのものではないか」。
 その一文を読んだとき、わたしは深い納得とともに、言葉にできないような、またそれを言葉にしてもどうにもしかたがないような、なんというか、とても大切なものの一致を見たような気がして、しぱし呆然としてしまいました。これはなんというドラマだろう。頭についた大きな穴(つまり口)は内臓への数少ない人り口のひとつで、歯はまるで門のようにそこにある。あるいはふかふかの土(つまり舌)をぐるりと囲んで守る花壇の煉瓦のようでもあり、詩性を存分に帯ぴながら、そのひとつひとつに個人がぎゅっと凝縮されたデータがみなぎっている。そしてそのみなぎりは個人を越えて、人間というより大きなもの集積にみごとに連鎖しているのです。そして人類最大の奇蹟であり謎である言葉--それを話すのは人間だけであるという事実。すべては口から始まったのだといってもいいような--つまりおよそ重大な物事の起源は歯とともにあったのだというような、そんな気持ちになるのです。そしてそれは「どのようなちからによって生えてくるかわからない」。
 永遠に解かれない謎
 わたしが歯をこんなにも好きで、とくべつの執着をもつ理由は自分でもよくわからないけれど、思ってみれぱそれは歯においては何ら不思議ではない、当然のことなのだというような気もします。なぜならそれは、歯というものがそもそも強い謎に満ちたもので、ある対象に夢中でいつづけることの条件のひとつは、その謎が永遠に解かれないことであるからです。宇宙や哲学や愛やそのほか数えきれない大きな謎とならんで、この口内にひ'しめく歯が存在しています。わたしはそれを今日も文字通り噛みしめながら、自分がその巨大な謎を含みながら同時に含まれていることを思い知り、うっとりとため息をついています。
  
 
 テキストリーダー機能は、スキャナーやカメラで撮影した画像の文字をテキストデータに変換する機能だ。京大入試不正事件で携帯カメラのテキストリーダー機能が注目されている。私の携帯電話にもこの機能が搭載されているが、いままで使ったことがない。試しに使ってみた。「はち・まる・にい・まる 8020」財団法人8020推進財団・会誌2011年1月No.10のトレンドウオッチングに  作家・詩人・歌手 川上未映子氏 「うっとりと奥歯を噛んで」(A4 2ページ 分)が掲載されている。これを私の携帯カメラのテキストリーダー機能を使ってテキスト化してみた。さすがにA4ページ全部を一度に取り込むのは無理だ。6分割して操作しないと正確に変換されない。1回の撮影変換保存操作に45秒ほどかかるな。それを12回繰りかえすと540秒だから9分だ。12分割したテキストを1つに繋げて全文をつなげて誤変換をチェック過不足を補正して体裁を整えるのに10分ぐらいか。訓練するともっと早くなるだろう。全文タイピングするよりも断然早い。いっぱい使い道があるな。今度頻繁に使うようになるだろう。右枠はテストに使った文書全文。ないようが面白いので読んでね。

 三月三日 水戸出張。
 今朝は、長谷周回コースを2周して約7キロ走った。まだ膝関節が一寸痛いが7キロ走れた。
 休診日なんだが、午前11時に家を出て水戸に出張だ。任期最後の茨城県歯科医師会代議員会に出る。任期が終了しほっとしてる。 
 大学入試は、選抜試験だ。選ばれなければ入学できない。選ばれる為に不正をしてしまう。過去に韓国で携帯電話による大学入試不正事件があったように記憶している。韓国にかぎらず、どこの国でも有名難関大学に入学する事は人生成功の第一歩であると多くの大人が考えているのだろう。ほとんどの大人は、不正が発覚してしまった時に失うものの大きさを知っている。自己の実力以上の事では成功できない。運は実力のうちだが、不正は実力ではない。
 入学試験会場に携帯電話を持ち込んだら、百科事典(今は死語か。)と翻訳機と計算機を同時に持ち込んだのと同じだ。計算できるしウィッキペデアで何でも調べられる。翻訳もできる。 京都大の入試問題が試験時間中にインターネット質問掲示板に投稿された事件で、使用された携帯電話の使用者の仙台の19歳の予備校生が逮捕された。選抜試験を実施した有名難関大学は、想定できる不正手段だったのに携帯電話に無頓着だったんだね。逮捕された19歳の予備校生には、不幸にも「不正が発覚しなかった人生」よりも幸せな、今後彼の人生がより幸せである事を願う。

 発想を逆転していっそのこと、携帯電話持ち込み可使用可に対応した試験問題を作ったらどうだろうか。

 三月二日 東京マラソン2011 男子一位の賞品。
 東京マラソン2011で、市民ランナー川内優輝さん(23才)が、日本人トップでゴールした。2時間8分37秒(3位)、世界選手権代表に決まった。優勝はメコネンさん(エチオピア)2時間7分35秒。
 川内さんは、埼玉県立春日部高校(定時制部)の事務職員だ。どこからもサポートを受けず費用はすべて自費で練習は自己流らしい。平日の練習は午前中の2時間。週末に駒沢公園を20周約43キロ走ってトレーニングしてきたらしい。素質や才能に恵まれているのかもしれないが、すごい。すごすぎる。時間も金も制約された市民ランナーが世界選手権に出るんだ。すごい。川内さんには、3位の賞金200万円が贈られた。日本人男子1位としてBMWから Tokyo Marathon 2011 1st Prize -New BMW 523i Sedan (アルピン・ホワイトⅢ:左写真)が贈られた。そして、今後は日本陸連から強化選手として年額150万円が支給されるらしい。活躍して欲しいな。
 

 三月一日 シュークリーム。
 ドーナツのような形状だが、シュークリームだ。 昨日、弘前駅ビルの1階にあるシュークリーム屋さんで購入してきた。コーヒーと一緒に、うんまい。


二〇十一年 三月  デンタ日記 



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